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平和アッピール

八幡仏教会 平成六年、終戦第五十回忌 平和宣言

 本年は、第二次世界大戦終戦の五十回忌をむかえました。すべての諸霊位のご冥福を、お祈りいたします。
 この戦争は、国のためという崇高な目的のため命を落とされた人々、戦争のもたらす破壊のあらしの中で命を失なわれた罪のない一般の人々、人間として侵すべからざる人権が卑しめられ、いまなお苦しみ中に居る人々を、生みだしました。その人間の憎悪と敵意の歴史は、今なお容易に消えません。
 しかし、悲惨な過去を振り返ることは将来への責任を担うことです。平和な世界の希求と実現が、人類の真の目的であることはいうまでもありません。
 仏典には次のような教えがあります。「勝つ者恨みを招かん他(ひと)に敗れたる者苦しみて臥(ふ)すされど勝敗の二つをすてて心寂静(しずか)なる人は起居(おきふし)ともにさいわいなり」
 お釈迦様の「慈悲」は、その道をさし示す貴い教えです。
 現代の世界には、今も国家間の対立や緊張があります。核兵器は依然として製造され、実験され配備されています。
 私たち仏教徒は、戦争の悲惨を阻止しえなかったことを真撃に憾悔し、暴力と破壊とに満ちた過去の過ちを、二度と繰り返すことないよう心に誓いたいと思います。
 そして、平和の達成のために、自ら啓蒙し、お釈迦様の「慈悲」を実践し、他の人々に平和を呼びかけようではありませんか。
平成六年八月
郡上八幡 八幡仏教会